子どもと過ごす毎日

 

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    7月

 

 

暑がり

 

夏になると、井戸端会議なんかでも、窓を開けて雨戸を閉めると涼しいとか、うちは網戸にして寝るとか、寝る前にエアコンのタイマーを3時間だけかけるのよとか、話が出るようになります。そんな時、私は心の中で、「ごめんなさい」と謝っています。何故って、我が家は6月の末くらいから、エアコンを一晩中付けっ放して寝ているから、です。

 

  「寝る子は育つ」という言葉を体現したような娘たちは、とにかく、よく寝ます。寝つきも寝起きもとってもよいので本当に助かります。横になって数秒したら、もう眠っていることも珍しくありません。

ただし、それは、涼しければ、の話。特に、おチビ。

 

下の娘が産まれて初めての夏。いつもなら日中はエアコンを使わない我が家も、さすがに寝たっきりの赤ん坊にこの暑さは可哀想、とゆるく冷房を入れてやりました。赤ちゃんに直接冷風が当たらないように、ベビーベッドの置き場所をあちこち考えて。ところが、ちっとも熟睡してくれないで、10分くらいでぐずぐず泣いてしまう。上の子のときは、こんなことはなかったから、何でだろう何でだろう、と随分考えました。で、ある日ふと、この子、暑いのでは? と思ったのです。そこで、エアコンの風が真正面に当たるところにベッドを移してみると、まぁ、どうでしょう。すやすや眠ること眠ること。こんな赤ん坊にも暑がり寒がりがあることを、発見しました。

おチビの暑がりは今も変わらず、どんなによく眠っていても、エアコンのタイマーが切れると途端に、がさごそが始まります。子どもって、寝苦しくなると隣に寝ている親を触ってきませんか? 肘をいじったり顔を撫でたりし始めるので、私も眠れなくなってしまいます。それで、堪らなくなってエアコンをつけ直すと、娘はすやすや眠るのです。そういうことが続いて、今では、朝方までエアコンをつけっ放すようになってしまいました(大人は、長袖パジャマで)。

 

お医者さんが聞いたら驚くだろうし、エコロジーの点からも全くよくない、のだけど、これだけはやめられません。夫も、「熟睡が健康の秘訣。それができないストレスには耐えられない」という人なので、我が家には歯止めが利きません。でも、そうして毎晩熟睡を得ているお陰で、うちの家族はとっても丈夫だし、朝から元気に過ごせます。ほかのところで地球のために頑張るから、許してもらえないでしょうか?

 

 


 

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    8月

 

 

 自転車の練習

 

 幼稚園にあがる頃になると、子どもたちが自転車に乗り始めます。三輪車は案外漕ぎにくいので、体が大きくなるのを待って、いきなりコマ付き自転車から乗り始める子も多いですね。

 

うちも、その頃に長女に自転車を買ってやりました。キャラクター付きは高価なので、何も飾りのないシンプルで安いのにして、前かごのプラスティックのところに後でシールを貼ってやりました。最初、娘は喜んで乗ろうとしていました。静かに静かに漕ぎ始めれば、コマ付きですから、何とか前に進むものです。

 ところが、一度、ちょっとした段差で転んでしまったのです。膝を少し擦りむきました。その途端、彼女は自転車に乗らなくなりました。私が何と言おうと、乗りません。お友達はどんどん上手になっていくし、その後ろを走って追いつくのは大変なのに、です。私は、自分がつい娘にカリカリ言ってしまうのがイヤなので、夫に練習を頼もうとしました。

 

 夏の暑い暑い日でした。休日、私が「今日は、お父さんに練習してもらいや!!」と言ったので、娘と夫は外へ出て行きました。30分くらい経ったでしょうか。二人が帰ってきたので、「どうやった?」と尋ねると、何だか芳しい返事が返ってきません。変だな、と思っていると、夫がぼそっと「Fは、全然乗らへんかった。『それやったら家へ帰ろう』って言うたら、『お母さんに怒られるから』って言うて、自転車をずっと押して町内を1周してた。」

 

私は、この日差しの下で自転車を押しながら無言で歩いている娘の姿を想像して、物凄くショックでした。そして、自分は、結局、世間体を気にしていたのだと大反省しました。それ以来、私は、何事も子どもに無理強いしないことに決めています。本人にやる気のないことは、どうしたってやらせられないのです。気長に、やる気が出るまで待つことにしました。

それから随分後になりましたが、娘は自転車の練習を始めました。そして、もちろん、他の人より随分遅れてではありましたが、コマなし自転車にも乗れるようにもなっています。

 

 

 夏休みの工作

 

娘たちの通っていた幼稚園は、工作天国でした。季節に合わせて先生がいろいろな工作をさせてくれるのとは別に、好きな時に好きなものを作ることができます。教室には、常に色紙や色テープや毛糸にペン、牛乳パック・卵パック・空き缶・空き箱などが置いてあって、遊び時間には好きなように使うことが出来ます。毎日色んなものをこしらえて、持って帰ってくるので置き場所に困るほどでした。

先生たちも、手間暇掛けて色んなものを作ってくださいます。次女の時は、キャラクターごっこやお姫様ごっこが流行って、クラスの子全員分の衣装や剣や魔法の杖を、ビニル袋で拵えて下さいました。子ども達はいつもそれを身に付けて、園を駆け回っていました。

 

というわけで、うちの娘たちは、とても工作好きになりました。特に、上の娘は、好きなものを好きなように作れるので、夏休みの宿題工作が大好きになりました(普段の図工の時間は、先生が決めたものを作るので、今イチなんですって)。

毎年、夏休み前から、何を作ろうか考え始めます。私は、それをドキドキヒヤヒヤして眺めます。何故って、いつも実力以上の大作を思いつくから。

例えば、

 

     お金を入れると羽根が回る、風車型の貯金箱(小1)

     絵本に出てきたキャラクターのぬいぐるみ(小2)

     お金を入れると釜に火がつく、パン屋さん型の貯金箱(小4)

     スイッチを入れると、3つの遊具が動き出す遊園地(小5)

 

など、です。構想はよいのだけど、身近な材料でどうやって作れば思い通りのものが出来るのか分からず、製作に取り掛かるまでにまず、一苦労。

 

そこで、夫の出番。実は、夫がまた工作好き、なんですね。子どもの頃に、ベッドにいながら隣の居間でお父さんが見ているテレビを盗み見る仕掛けを作った、というのが彼の自慢なんです。二人でああでもない、こうでもない、と言いながら、何日も仕掛けを考えます。夫は、ついつい難しい仕掛けを考え出すので、子どもの力では作れそうになく、もっと手軽に出来るものを考え直す、ということの繰り返し、です。

そして、やっと材料の買い出し。やれやれ。

 

ここからは、本人が頑張る番です。毎年毎年果敢に挑戦したお陰で、最近は、のこぎりも電動ドリルも上手に使えるし、粘土の色の調合や下地剤・アクリル絵の具の扱いなんかもお手のものになりました。

ただ、とっても雑なのが、玉にキズ。仕上がりの美しさは、あまり気に掛からないようなんですね。そこで、今度は私の出番。「いくらなんでも、それはひどい」とか、「もうちょっと、きれいに塗り直した方がいいんちゃう?」とか、あれこれ注文を付けてしまいます。この辺りで、すでに夏休みは残り1週間くらいになっているので、必死です。夫は毎年8月31日にお休みをとるようにしているので、「30日までに完成したら、31日はどこかに連れて行ったげる!!」と、お尻を叩きます。そして、大抵、30日に完成するのでした。

 

長女の夏休み工作は、今年で終わってしまいました。こんな日々は、もう返ってこないんだなぁ、とちょっと寂しいような気がします。しかし、今年から小学校に上がったおチビは、そうした姉の工作作りをずっと見てきたので、どうやら自分も大作を作ってやろうと狙っているようです(すでに、今夏、その片鱗が見られました)。我が家の夏の大騒ぎは、まだまだ続きそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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    9月

 

 

ほめる

 

 自分の子どもと話す時心がけていることの一つは、皮肉や嫌味を言わない、ということです。

 

私もそうだけれど、日本人は、ほめたりほめられたりということにあまり慣れていません。昔から「謙譲の美徳」っていうのがあるので、贈り物をする時も「つまらないものですが…」って言うし、ほめられると「いえいえ、そんな…」って否定してしまいます。だから、自分の子どもにも、ついシニカルになって、良い点を取って帰ってきても「どうせ他の子もみんな良かったんちゃう?」なんて言ったり、工作がほめられたと聞いても「その頑張りが勉強の方に向いたらなぁ」なんて言ったりしてしまいがちです。

子どもは、本当はほめられると嬉しいし、それが大好きな家族から手放しにほめられるのであれば、なお嬉しいはずなんです。それによって、自信がつくし、次も頑張ろうという意欲が増します。でも、頑張ってもほめてもらえなかったり、ほめられても大したことないってふうに接せられることが続くと、そのうちどんどん自分に自信がなくなってきてしまうでしょ。そうなってしまうと、今度は誰かにほめられたりしても素直に喜べず、逆に、ほめた人の意図を探ってしまったりします。そして、「周りの人の言葉を素直に受け取れなくなることは、成長の大きな妨げになる」と、私は思っています。

子どもを素直に伸ばすためには、親も素直になって、よかったことは沢山ほめてやるのが一番です。上手な絵が描けたときは沢山ほめてやって、勉強のことは言わない。勉強のことは、良くない点を持って帰ってきたときに、話せばよいのです。

 

前置きが長くなりました。

 

というわけで、単純に育った長女は、運動会の行進が上手、というのが自慢です。手の指までピンと伸ばして膝を上げて歩くので、4年生の時に先生が褒めてくだいました。「高学年にもなれば、そういうことに少し白ける方が普通では?」と私も思わないでもないけど、嫌そうに歩くより頑張って歩く方が楽しいし、何より本人が喜んでやっているのですから、「今年も頑張れ」と送り出しています。

 

 


 

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