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小学校入学
幼稚園と小学校では、何と言っても、お勉強のある・なしが大きな違いです。成績や順位なんか気にしないぞ!! と思っていても、放っておくことが出来ません。私も、根が真面目で、中学までは優等生でしたから、知らず知らずに子どもの勉強の様子をチェックしてしまうし、こんな勉強は出来て当たり前だと思ってしまうのです。
特に小学1年生は、先生の方でも、「お母さんも一緒に見てあげて下さいね」っていう連絡や宿題が多いので、ついつい過干渉になってしまいます。
上の娘が1年生の時のことです。
計算カードというのがありました。足し算(繰り上がりなし・繰り上がりあり)引き算(繰り下がりなし・繰り下がりあり)の4種があって、表に式が裏に答えが書いたカードがリングでつながっています。算数で足し算や引き算を教わってかは、毎日それを練習してくるように宿題が出されました。宿題表というのがあり、毎日そこに、それぞれのカードをするのに何分かかったかを記入し、親の判こを押すのです。
最初のうちは、娘のペースでやっていて、私もそれで満足していました。ところが、買い物先などで同級生のママさん達に出会って、宿題の話なんかになった時、他の子どもさんがどのくらいの時間でカードをしているかを知ってしまったのです。うちの娘が4,5分かかっているのを、早い子は2分くらいでやっていたのです。
そういうのを知ると、もうダメ。次からは、ゆっくり考えてゆっくりカードをめくる娘の姿に苛立つようになってしまいました。段々と娘への口調がきつくなっていくし、時には叱るようにもなってしまいました。小さい頃から何でもマイペースで自主性に任せてやらせてきたので、娘には「見たとおりにきちんとする」とか「決められた時間内で速く済ませる」とかいった経験がありませんでした。それを、いきなり人並みに、いえ、人並み以上に持っていこうというのですから、無理な話です。しかし、その時の私は、無理と分かってもどうにかしたい、という気持ちのほうが強かったのです。
ある朝、いつものように娘の髪を梳かしてやっていると、頭頂部に小指の爪ほどの大きさの禿を発見しました。
一気に血の気が引きました。ストレスから円形脱毛症になる人の話は聞いたことがありますが、まさか娘がそんなストレスを感じていたとは。
新しいことが好きだし人見知りもないし、学校もクラスも友達も、とても楽しそうです。きっと本人にもストレスの自覚はないのでしょう。しかし、いきなり生活が、そして、母の様子が激変したことを体が拒否したのです。頑張れ、頑張れ、やれば出来る、みたいに言い続けた自分を嫌悪しました。結局は、私が他の子と比べて、負けたくなかっただけなのです。
「今のままの、マイペースのあなたが大好きだ」
と言ってやれる母に戻らねばならない、と思いました。
幸い、頭頂部なので、本人は全く気付いていません。知ってしまうと気にするので、言わないことにしました。髪を結ぶ時、分け目を上手く隠してやることも出来そうです。もし万が一、学校で他の子どもに見つかった時のために、担任の先生にはお知らせしておきました。
半年ほどかかって、娘の禿はなくなりました。今は、すっかり笑い話のようになって、当の娘にも話しています。しかし、私の中では子育て中のワースト1がこの出来事ですから、事ある毎に思い出して自分を戒めるようにしています。
(ところで、今は、おチビが小学1年生になり、同じように計算カードに取り組んでいます。夏休み前に戴いたプリントには「休み中に2分以内で言えるようになっておきましょう」と書いてあったのですが、それも見逃すような母になってしまいました。休みが明ける直前にそれを知って、親子でジタバタしている今日この頃です。)
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